株式会社匠設計コンサルタント

NEWS 2020.10.02

コラム BIMがもたらす建築業界への変化


Masaya Fukunaga


現在、建築業界のあらゆる媒体で目にするようになったBIM。
このBIMの持つ役割やBIMによって社会や仕事にどのような変化が起こるのか、BIMが建築業界や社会にもたらすメリットを、大枠から説明します。
BIMは建設の業務や今の社会においてどう有効に働くのか?どのような利点をさらに大きなものにするのか?現状はどのようなものなのでしょうか。

BIMとは何か?

複雑多岐にわたるこのソフトについて、その主だった使い方から説明していこうと思います。BIMのメインとなる使い方として、柱・壁・ドアといった建物を構成する要素の3Dデータを組み合わせ、仮想空間で建築物を建設できることがあげられます。さらに、壁ならば厚み・素材・単価といった構成要素の様々な情報を入力し、3Dモデルとリンクさせてデータに組み込むことが可能です。入力できる情報も外構や工事計画など、建物だけでなくその建物の建設に必要な情報にも及びます。
そしてこの3Dデータは、2Dとして体裁を整えた図面や部材ごとに情報をまとめた集計表・リアルなパースなど、用途に合わせた出力ができるのです。このように、BIMとは建築物とその建築の情報を多角的に集積・調整し、色々な形で出力できるソフトなのです。

BIM導入によるフロントローディングの実現

ではBIMというソフトのシステムは、建築の業務においてどのようなプラスを生むでしょうか。既存の2Dのソフトとの大きな差異として、初期段階から複雑な建築の情報を見える化できることがあげられます。3Dデータで予め変更を検討することは施工の際に余計なコストを抑え、結果の違いを視覚的に判断しやすくなります。立体的に建築を見ることで関係者が物件運営の課題点をみつけやすくし、情報の共有を助けるとともにお互いの間で生じる理解のズレを減らすことができます。
これは企画から施工までのいわゆる『作る側』に限った話ではありません。発注・維持管理や運営といった『使う側』の方々もまた、建築への深い知識・理解を抜きに視覚的に確認できる3Dデータは自分の要望や課題を満足していることが伝わりやすくなります。

社会におけるBIM

最後に、いま私たちの暮らす社会全体で、BIMはどのような立ち位置になるでしょうか。
それを知るには、私たちの暮らす社会の現状と向かう方向について知る必要があります。
いま、多くの人は資源と同じくらいに情報に価値があると考え、情報を中心にして社会が動いていると思います。しばしば情報社会と呼ばれるものですが、情報の利用が増えた一方でこの情報社会にも課題がありました。知識や情報の充分な共有・連携や、個人で膨大な情報から必要なものを効率的に見つける事が難しかったのです。
こうした問題は、情報を満足に扱うために必要な技術やシステムが十分でなかったことが原因でした。しかし、モノのインターネット化(IoT)や人工知能をはじめとしたさまざまな技術の発展により、あらゆる情報が集積・自動で解析されて人びとにフィードバックされるシステムが創られようとしています。
そうしたシステムの中、既存の枠組みを超えて情報を扱う社会を、日本では『Society5.0』と呼んでいます。そして日本は、その『Society5.0』の実現にむけて動き始めています。
人びとの暮らしの一翼を担う建築業界が『Society5.0』で活躍するうえで、建築の情報をいかに多角的・多元的にして扱えるかが重要になります。建築物と建設の情報を様々な形でインプット・アウトプットできるBIMは、建設という分野の内外をつなぐプラットフォームとして活躍が期待されています。

詳しくは、私(福永)までお問合せください。


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